ドラえもん一巻の「ドラえもんの大予言」ではしずちゃんの家に遊びに行くのび太をドラえもんが引き止め、未来から持ってきたアルバムを見せる。ダンプカーにはねられ大怪我を負う自分の写真を見せられ、一日大人しくすることを決めたのび太だったが…。
のび太にダメージを与えるふたつの手のひら
ダメージを与えているのはドラえもん。この物語の結末に起こることは、一つの手のひらのおかげでもあり、もう一つの手のひらのせいでもあると考える。
のび太を引き止める手のひら
一つ目の手のひらは「22世紀のマジックハンド」どうしてもしずちゃんの家に遊びに出かけるのび太を捕まえたかったと言うドラえもんだが、引き止めるというよりのび太を打ち付けるような強引さに見受けられる。

その後、ドラえもんは未来から持ってきたアルバムを見せる。ダンプカーにはねられ大怪我を負う自分の写真を見せられ、一日大人しくすることを決めたのび太だった。

確かにこれを見せられれば怖くて外には出られない。
(私は2025年7月5日の予言が本当になるのではと信じていたタイプ)
あっさり手のひら返し
そうして素直に家で過ごしているのび太のへしずちゃんからの電話。代わりに断ってくると言って電話を取るドラえもんだったが、おもしろいマンガや特製のケーキがあると言う話を聞くとあっさり「すぐ行く」と返事をする。
さっき、力づくで引き止めたのに!笑
事故にあってもいいのか!←のび太も同じように主張しているが、約束は守るべきだと説得されている。
二つ目の手のひら=ドラえもんの手のひら返しにより、のちにダメージをくらうこととなるのび太であった…
のび太、どうかご無事で
本来ならここで怪我していたかも
外に出るとタイムテレビで十秒後の二人を映し出し、その後ろを歩いていく。すると、十秒後ののび太はダンプカーにはねられてしまっていた。

それにしてもドラえもんの後ろを歩いていたはずののび太だけが、ダンプカーの事故に。ドラえもんの身体能力?はたまた、のび太の不運力はそれほど強力なものだったのだろうか…。
その後ものび太を襲う車
車の通る道を避けてしずちゃんの家に向かうのび太たちだったが、
・男の子が遊んでいるおもちゃの車を足で踏んで壊してしまい、男の子の家族?に後頭部を殴られる。
・車庫から車が飛び出してくる。
・キッズカーのようなものに乗っている男の子に逃げる。
・庭で運転の練習をしている女性に追いかけ回される。
・逃げ込んだ家のおじさん(運転手)に棒で再び後頭部を殴られる。のち、その家は事故の多い立地でちょうどダンプカーが飛び込んでくる。
・屋根の上を渡って進むが、車を宣伝する看板の下敷きになってしまうドラえもん。
車というだけでこんなにもパターンがあるのか。ただ道を行き交う車が襲ってくるだけだと単調になってしまうが、看板までもが二人を襲うというところがコメディとしての面白さをより強くさせている。
ようやく安全なルートを見つけるドラえもん
それでも進もうとするドラえもんと帰ろうと促すのび太の元へ孫のセワシがやってくる。セワシからタケコプターで行くというアイデアをもらった二人は空路でしずちゃんの家に向かっていった。
しずちゃん、そりゃないよ
しずちゃんの家に無事到着。ドアを開けた瞬間に額を直撃する車のおもちゃ。ずいぶん待たされていたしずちゃんは近所の子に遊びに来てもらっていたという。
家の中で子どもたちが投げ合っているブロックやら飛行機やらのおもちゃだが、よりによって車のおもちゃで怪我してしまうというのはやっぱり未来を変えることは難しい。
それでも「22世紀のマジックハンド」で引き止められていなかったら最初の予言通りのび太は大怪我を負うところだったかもしれない。
同じ結果でもそれぞれが解釈することは違う
しずちゃんの家での一撃で頭に包帯をぐるぐる巻きにするほどの怪我を負ったのび太だったが、ドラえもんからするとのび太が全身の大怪我まで至らなかったので「よかったなあ。」とニコニコ。それに比べてのび太は「ちっともよくない。」と困り顔。
コップの水理論
のび太の怪我についての二人の捉え方の違いについて考えてみた。
経営学者のドラッカーが提唱したとして知る人も多い、コップの水理論。コップ半分に入った水をみて「あと半分しかない」と考えるネガティブな解釈か「まだ半分もある」と考えるポジティブな解釈か。
私はどちらとも言えない。というのもその時の状況によって変わると思うからだ。

喉がカラカラに乾いた時に差し出された水が半分しか入っていなかったら「半分しかない」と思うだろうし、コップ一杯の水を飲んだ後にそれを見れば「まだ半分もある」と感じる。
それぞれの背景を考える
あくまでも想像だがのび太には「あのまま家で過ごしていれば怪我をしていなかったのではないか」と後悔したり、「しずちゃんが他の子と遊んでいたこと」に少し悲しさがあったかもしれない。何より怪我をした当人である彼に大怪我にならなくてよかった。と声をかけても気は晴れないかもしれない。
ドラえもんにはのび太を大怪我から救うという使命があったので、最悪の事態を避けられたことでホッとしていることだろう。表情に余裕がある。
まとめ
「あの時こうしていればもっといい結果になったかもしれない」と理想ばかりをみていると現状に満足できないことも多い。そんな時、ドラえもんのように心の余裕があれば、物事をポジティブに捉えることができると思う。
それでも「ちっともよくない」と考えてしまうことが悪ではなく、ネガティブに考えてしまう時は、その出来事だけでなくその背景やなぜそう感じてしまうのかなど自分の素直な心に寄り添うことも覚えておきたい。
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